地獄谷(立山地獄)

立山の室堂平近くにある地獄谷は立山信仰の中心的存在で、恐山(青森県むつ市)、川原毛地獄(秋田県湯沢市)と並ぶ「日本三大地獄」のひとつ。立山黒部ジオパークの室堂平ジオサイトの一部となっています。現在火山活動により、危険な火山性のガスが噴出しているため、立入禁止になっています。

日本の地獄思想は立山信仰で広がった!


『立山曼荼羅』。左上に立山地獄が描かれています

古来の立山信仰では、『立山曼荼羅』(たてやままんだら=山岳曼荼羅)では、賽の河原、三途と修羅道、女性が必ず堕ちるとされた血の池地獄などがおどろおどろしく描かれています。

宗教登山の時代に、立山地獄は、必ず訪れていた場所のひとつでした。
古来、死者の霊は山へ昇っていくとされ、「山中他界観」といって、死んだ人の魂は黄泉の世界へ行ってしまうわけではなく、現実の山の中に死者の霊が集まる他界があるという考え方がありました。
平安時代の中頃、立山では「山中他界観」に仏教の山中浄土(山は祖霊が宿るという考え)思想が結びつき、独特の立山信仰が生まれました。

平安時代末期の『今昔物語集』にも「日本国の人、罪を造て多く此の立山の地獄に堕つ」と記されています。
立山信仰では、罪のある者はすべて立山地獄に堕ちると力説され、その救済措置として、庶民に立山登拝を勧めたのです。
宗教登山の時代、立山の登山口だった芦峅寺(あしくらじ)の衆徒は、『立山曼荼羅』を大衆に絵解き(解説)しました。
絵解きのハイライトは地獄の場面で、『立山曼荼羅』でも左上4分の1を割いて、立山地獄が描かれています。

お花畑=浄土、爆裂火口=地獄、雷鳥=火難除の守護神という図式が誕生

活発な噴気を上げる地獄谷

雷鳥は神の使い!?

立山信仰成立の背景には、1万年前の水蒸気爆発の爆裂火口の地獄谷の「地獄の様相」、その先の室堂平、浄土山や可憐な高山植物が咲き誇る「浄土の景観」の対比があったと推測できます。
室堂平や浄土産のハイマツの間に潜む雷鳥は、「火難除の守護神」とされていました。
弥陀ヶ原の池塘群は、「餓鬼(がき)の田」です。

立山黒部アルペンルート開通後の現在も、立山地獄探勝の起点は、室堂ターミナルとなっています。
室堂ターミナルから、「浄土の景観」の室堂平を歩き、ミクリガ池経由で30分ほど歩けば、地獄谷(立山地獄)。
本来、来世の世界であり、バーチャルの世界だった地獄が、立山山中では「現実世界」として体感できるのです。

火山活動の活発化で、現在立入禁止になっています

地獄谷(立山地獄)は、荒涼とした中に鍛冶屋地獄、百姓地獄、紺屋地獄など136もの地獄が点在しています。
4万年前からたびたび起こった水蒸気爆発による爆裂火口の跡ですが、現在も有毒な火山ガスが噴出しているので、コースの外にそれることは厳禁。

江戸時代に噴火活動も発生していて、露天風呂のように見える湯溜まりも、過去に硫気ガスでの死亡事故がおきています。
くれぐれも歩道を外れないよう注意を。

ちなみに、今でこそ地獄的な様相を呈していますが、地獄谷は、7世紀末頃まで火口湖だった場所で、一帯には硫黄堆積物による湖成層が分布しています。

ご注意/火山活動の活発化で、現在立入禁止になっています

 

地獄谷(立山地獄) DATA

名称 地獄谷(立山地獄)/じごくだに(たてやまじごく)
※火山活動の活発化により現在立入禁止です
所在地 富山県中新川郡立山町室堂
関連HP 立山町
黒部立山アルペンルート
電車・バスで 富山地方鉄道立山駅から立山開発鉄道立山ケーブルカーで7分、美女平駅下車。立山高原バスに乗り換え50分、室堂ターミナル下車、徒歩30分
ドライブで 北陸自動車道立山ICから県道6号を25kmで千寿ヶ原
駐車場 300台(千寿ヶ原駐車場)/無料、立山駅周辺には無料駐車場(1000台)、臨時駐車場(500台・混雑時対応)
問い合わせ 立山町商工観光課TEL:076-462-9971
立山黒部貫光株式会社TEL:076-432-2819
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